第三章では、一貫して構造化を論じた。
トップダウンのロジックツリー、
ボトムアップのピラミッドストラクチャー、
対立問題を雲として描き、解決思考を構造化するTOCのクラウド。
どれも難関でした。
使い方を習熟しているかはともかく、どういうものかは理解した。
でも、いつ、どれを使えばいいか、まで、実戦で使える領域へは遠い。
構造化ツールの実戦投入
あなたの人生で、構造化ツールを使うケースを考えよう。
そもそも、それはどんな時か?
今(AS-IS)に対して、これからの未来(TO-BE)を考える時だ。
だが、何を使うかはケースバイケース。
選択には、今の自分の座標の診断を必要とする。
今(AS-IS)と未来(TO-BE)を提示して、
謙虚に、そしてゼロベースで冷静に見つめ、
今の自分の座標を診断をする。
- 今 vs. 未来
- 事実に重き vs. 目標に重き
- 選択の有・無
- 自・他の分離
これらは正解を選ぶための基準ではない。
思考を動かしてから、正解を探す。
思考を動かすためには、いまの自分がどの座標に立っているか?
それを確かめるための基本的な問いから始めるのである。
未来のことを主に考える場合は、ロジックツリーが相性がいい。
どうありたいか、どうしたいかをブレインストーミングで列挙する。
分類し、共通点を抽出し、関係性を分析して、
全体を構造化し、ロジックツリーとして描き直す。
現状の問題を整理したい場合は、ピラミッドストラクチャーが相性がいい。
まずは、事実(ファクト)を収集する。
収集した事実を分類し、共通点を抽出し、関係性を分析して
全体を構造化し、ピラミッドストラクチャーを描き始める。
ジレンマに陥っている時。
他者との関係で板挟みにあっている時。
もっと良い解決策があるのでは?と自信がない時。
明確な対立構造がなくても、TOCのクラウドを適用するといい場合は多い。
回答は一つしかないと、あなたは思い込んでいるかもしれない。
鏡にかざしてみて、反対の方向から眺めてみる。
そうすると、想像もしていなかった対立の構造が具現化することもある。
この構造化ツールの選択は、1発で成功させなくていい。
ロジックツリーで構造化しようとしてみたら、思い込みの違いによる対立構造が見えるかもしれない。
もしくは、究極的な目標と思っていたものが、実は、数ある現象の一つに過ぎず、さらに上の上位概念が存在していることだってあるだろう。
誰だって判断は間違うことがある。
間違えたと思ったら、すぐに方針転換することが大事なのだ。
思考を停止してはならない。
ケースバイケースで対応する柔軟性を忘れないことだ。
知的生産ツールとケースバイケース
第三章で取り上げた構造化するツールも、絶対的なツールはなかった。
第二章の指標としてのKPIも、第一章のフレームワークも同様だった。
私たちは、ケースバイケースで、知的生産ツールを使い分けなくてはならない。
正直に使い分けは面倒に感じる。
でも、どのツールも切れ味は抜群。使わずにはいられない。
習熟が大変!!と、げっそりするかもしれません。
でも、安心して欲しい。心配はご無用だ。
そもそも、現実の世界の方が、使う道具は複雑・多種だ。
例えば、プラスのドライバー.。
こんな単純なものですら、
太くてごっついのから、精密で微小なものまで、バリエーションが豊富だ。
ドライバーセットだけで、それなりのボリュームになる。
それだけ、最適化がなされている。
パフォーマンスの最大化を考えるならば、ケースバイケースの最適化に至る。
でも、あらかじめ多様なケースを想定して準備するとなると、非効率だ。
ジレンマである。
効率的な準備とパフォーマンスの最大化を両立できないか?
要素のバリエーションの掛け合わせに分解する
例えば、144通りのバリエーションがある場合を考えよう。
それぞれの最適解、144個を覚えるのは大変だ。
掛け算の九九よりも、記憶する量が多い。
とても現実的でない。
144通りに共通する項目を調べたら、
- 要素Aで4パターン
- 要素Bで3パターン
- 要素Cで6パターン
- 要素Dで2パターン
で構成されていた。
つまり、
4✖️3✖️6✖️2=144
で記述されることがわかった。
この場合、4つの要素に分解した。
各要素が取りうるバリエーションを上記の箇条書きで整理した。
それらを掛け合わせることで、
対象をパターン化できた。
具体的に見てみよう。 さまざまな症状が見られる風邪について
- 頭痛・体の痛み
- 発熱・だるさ
- のどの痛み
- 胃腸の不調
に分類できる。
これらの各要素が取りうるバリエーションの掛け合わせのパターンに応じて、
治療法を変えるという具合だ。
このように、
- 要素に分解する。
- 各要素が取りうるバリエーションを整理する。
- それらを掛け合わせて、対象をパターン化する。
のである。
対象のパターン化により、
144通りの最適解の全てを覚えなくても、
効率的に準備ができて、
パフォーマンスを最大化できる。
そして、各要素に分解するツールが、フレームワークであり、KPIである。
構造を特定して、パターン化する
整理しよう。
まず最初にやることは、暫定的にAS-ISとTO-BEを用意する
そして、診断を通じて構造を求める。(プラスドライバーを使うことの特定)
それから、パターン化のために分解する。(風邪の症状)
再びAS-ISとTO-BEに戻り、それぞれの解像度を上げる
この順番で、思考し続けることによって、成功への確率を高めることができる。
第一章から第三章まで論じてきたのは、構造を特定し、対象をパターン化するための、知的生産ツールである。
最小限の労力で、成功確率を最大化する。
知的生産ツールを使用するメリットは、まさにここにあるのだ。

- 暫定的にAS-ISとTO-BEを用意する
- 診断により、構造を求める
- 要素に分解してパターン化する
- AS-ISとTO-BEの解像度を上げる
これが、王道なのである。