東京〜現実歪曲フィールド界隈

東京で外資系企業の営業で働く人

第二章(1)万能解と最適解

忙しいのが、日常だ。
仕事も、プライベートも、すべきことや判断すべきことに追われている。

ほとんど反射神経だけで乗り切っている、
そんな気がしてならない。

1日の終わりに、今日したことを振り返ろうとしても、
午前中に何をしていたのか、うまく思い出せない。
それくらい、私たちは多くのことを、短時間でこなし続けている。  

本音を言えば、
じっくり考えたい
腰を据えた、納得のいく判断をしたい。

でも、現実は、そんな余裕を許してくれない。

雨のように降りかかってくる球を、
無心で打ち返す。
もう、数は数えることはできない。
ただひたすらに、無心に。
そうしないと、悪夢のように仕事が溜まってしまう。

だからこそ私たちは、
コスパやタイパを意識し、
できるだけ無駄なく、効率よく、
テキパキと物事を片付けようとする。

それはもう、ほとんど無意識の領域だ。

正しい答えが欲しくなる衝動

その結果、短時間で下した自分の判断が、
「本当に正しかったのか」
「どこかで致命的な見落としはなかったか」
ふと、不安になる。

失敗の理由が「多忙につき」だなどと、言い訳はしたくない。
できるだけ成功したいし、報われたい。

だから私たちは、
「これさえやれば大丈夫」
「本質的に重要なこと5選」
といったネット記事に、つい、目を奪われる。

  • 誰にでも
  • いつでも
  • どんな状況でも

通用する魔法のような解答。

理性では、そんなものは存在しないとわかっている。
それでも、つい、期待してしまう。

それは、ごく自然なことです。

世の中には、学校を卒業したレベルで解けるような、優しい課題はもう、残っていない。

ひよっこだからって、誰も甘くみてくれない。

価値観も、関心も、置かれている状況も、
人それぞれ異なるこの世界で、
すべての人に等しく機能する「成功の方程式」は存在しない。
ある状況では正解だった方法も、別の文脈ではまったく機能しない。 それどころか、かえって有害だったりする。

イメージ:万能解と最適解

最適解は機能するか?

成功の方程式のような、万能解はない。
それはわかっている。
だから、その場、その時の最適解を求めればいいのではないか?

非常に合理的な考え方です。
失敗したくない
最短距離で成功に近づきたい
この態度を誰も非難できない。

でも、ちょっと考える必要があります。
星の数ほど、課題は存在します。
無数の課題に対する、最適解は簡単に見つかるのでしょうか?

おそらく、最適解に近いものは容易に見つかるでしょう。
類型化された、公約数的な課題の解答が存在するからです。

でも、個人的な経験と断りを入れますが、残念ながら、それらの回答は、ありきたりなものばかりです。

そういう、最適解もどきは、第一、世の中に溢れている。
おそらくは、あなたも知っている陳腐なものだ。
私たちが欲しいのは、もう一歩踏み込んだ、その先の回答だ。

そして、これは肝心なことですから、強調したい。

  • 最適解である以上、状況が変われば、最適解も変わる

繰り返します、止まっているのはアナタで、世界はあなたのご都合には関係なく動き続けているのです。  

失敗しないための保険

失敗には2種類ある。

致命的な失敗

ごめんなさいで済む失敗

致命的な失敗を犯さないためにも、最適解もどきは役にたつ。
これをやったらアカン、というものを教えてくれる。

また、自分にとってそれほど重要でない、大切でない課題であれば、とりあえず最適解もどきを採用し、大失敗をしないための保険をかける。

これらはとても合理的な考え方だ。

最適解は、このような場合には有用だ。
しかし、あくまで状況が変化しない間だけの話だ。

動き続ける世界の中で

私たちは、第1章で動き続ける世界を無視するリスクを議論した。

フレームワークは、知的生産ツールとして非常に有用だ。
しかし第1章では、世界が動き続けてるにもかかわらず、
私たちが「理解したと信じた過去」に思考を固定してしまうため
フレームワークそのものが機能しなくなる危うさを見た。
▶︎ 第1章「フレームワークが通用しないわけ」

万能解は存在しない。

最適解は、致命的な失敗を避ける、保険としての使用には適している。
しかし、動き続ける世界の中では、常に変化することを受け入れなければならない。

ここで二つの問題が立ち上がる。

  1. ひとつは、
    考え続けることは、物理的にも、心理的にも、無理ゲーであるということ。
  2. もう一つは、
    世界が動き続ける以上、
    最適解を「変える必要性」にどうやって気がつけば良いのか、

という問題だ。

連載の第2回では、前者を

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第3回では、後者を取り上げる。

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