東京〜現実歪曲フィールド界隈

東京で外資系企業の営業で働く人

フレームワーク解説(3) 〜 3C分析、SWOT分析

知的生産ツールの代表格である、「フレームワーク」は切れ味が大変鋭く、AS-IS、TO-BEを言語化するには、必要不可欠なツールの一つです。

フレームワークというのは、扱う対象に対して「思考の型」を適用して、様々な側面に切り分けて、モレなくダブりなく(MECE)、整理をするためのツールです。 3C分析、SWOT分析、STP分析、ポーターの5 Forces分析。 これまでに、戦略立案や市場分析を助ける様々なフレームワークが開発されてきました。 これらはMBA教育などを通じて世界的に普及した「標準言語」とも言えるものです。 その切れ味は抜群で、混沌とした現状を非常にすっきりとした構造体へと整理できるようになります。

言語化のためのツール - 東京〜現実歪曲フィールド界隈

私たちは、生きてく上で、どうしようもなく、他人と自分を比べてしまいます。

他人と比べなければ、幸せになれるということは知ってはいますが、そう簡単にやめられません。
ビジネスの世界では、いつだって競合の分析をして、市場での優位性を確保しようと行動します。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

現実歪曲フィールドって何? - 東京〜現実歪曲フィールド界隈

と言いますが、フレームワークとして完成しているのが、3C分析とSWOT分析です。
まず、3C分析について見ていきましょう。

3C分析とは?

文字通り、Cから始まる3つの枠で考えるフレームワークです。
3つのCとは、

  • Customer: お客様
  • Competitor: 競合他社
  • Company: 自社

です。
彼を知り(Competitor と Customer)
己を知れば(Company)
百戦殆(あや)うからず という、大前研一氏が提唱した有名なフレームワークです。

まず最初に問うべきは、「Customer: お客様
何が求められているのか?
市場・お客様の関心、機会を分析します。
市場規模、成長性、お客様のニーズ、購買行動を調べます。

次に「Competitor: 競合他社
敵はどう動いているか?
競合他社の脅威と手薄な領域を分析します。
自社にはない競合他社の良さ、脅威として感じているところ。
その逆で甘いところ、付け入る隙がないか調べます。

最後に「Company: 自社
自分たちは何ができるか? 競合他社には負けない自社の強み・優位性を分析します。 製品? サービス? それとも開発力?
いや、営業力? 手厚い顧客サポート体制の充実?

3C分析
お客様、競合他社、自社の3つの円を描き、競合他社と交わらず、お客様と自社の円が交錯するところが、狙い目になります。 市場での成功を収めるためのフレームワークで、戦略立案の基本中の基本、ど定番な分析です。

SWOT分析とは?

3C分析で、CustomerとCompetitorは自社の外にあるもの、すなわち「外部環境」です。
Companyは、自分のことですので、「内部環境」です。
この外と内をさらに明確に分けて分析するのが、SWOT分析です。

内部環境、すなわち自社について

  • Strength: 強み
  • Weakness: 弱み

に分けて分析します。 自社、自分の長所と短所を分析するようなものですね。

次に、外部環境について、

  • Opportunity: 機会
  • Threat: 脅威

に分けて分析します。 3Cでは競合他社とお客様(市場)と対象を分けていました。
しかしSWOTのOpportunityでは

  • 市場における機会
  • 競合他社が弱いから狙い目

の両方が含まれます。
またThreatでは、

  • 市場参入者が相次ぐことによる競争の激化
  • 市場の縮小・蒸発
  • 新技術による既存技術の陳腐化

のように、直接競合していない会社の新技術にまで、思考を巡らせる必要が出てきます。

SWOT分析

さらにSWOT分析をする際は、

  • SとOを掛け合わせて、自社の強みを機会にどのように活かしていくか?
  • WとTを掛け合わせて、脅威に対応する際に弱みが致命傷(ボトルネック)にならないか?

といったさらに一段深めた分析(クロスSWOT)がよくなされます。

3C分析とSWOT分析の使い分け

非常に似ている分析のフレームワークですが、どのように使い分けているのでしょうか?

大きな違いは、3Cでは、お客様、競合他社、自社の事実を集めるのに対して、SWOTでは事実を強みと弱み、機会と脅威に評価して分類するところにあります。
3C分析は3つの円の重なりから、どこが狙い目なのか、ターゲットを把握するための分析であるのに対し、SWOT分析はクロスSWOTなどのように何をすべきかの行動の指針を得るための分析になりえます。

狙いを定めるための3C分析行動を定めるためのSWOT分析というわけです。

3C分析とSWOT分析の課題

まず、「己を知る」というのは言うほど簡単ではありません。
過大評価、過小評価を完全に避けることはできません。
自社についての事実の列挙、強みと弱みの評価は難しい。
無意識のうちに、自分が見たいものだけを見る「現実歪曲フィールド」から逃れることは、大変難しい問題です。 同様に、競合他社、お客様についても、同様です。

3C分析、SWOT分析をしたチャートを見ると、非常に綺麗に整理され、惚れ惚れとしてしまいます。
作っただけで満足してしまいます。 言わずもがなですが、作成した時点がスタートラインです。
ターゲットを決めて、戦略を立案し、行動に起こすべきです。
SWOT分析、さらにクロスSWOT分析をしたら、基本戦略が定まります。
まず最初に何をすべきか、その次は、、、という具合にアクションプランを立てて、実行フェーズに移らなくてはなりません。

最後に、分析するときは対象を一旦止めた状態で行います。
スナップショットを撮影して、分析しているようなものです。
次の瞬間には、世界は動き始めています。
分析結果は、まとまった瞬間から陳腐化するのです。
でも、そのことに私たちは無頓着で、分析しただけで満足してしまう。
未来永劫、分析した時の状態が続き、分析の結果は永遠だと錯覚してしまう。
特にお客様(顧客)の心理は移ろいやすく、ニーズを的確に捉えることは困難です。
昨日はカレーライスが食べたかったけど、今日はハンバーグが食べたい、というお客様はごく普通に存在するからです。

以上、3点の課題を指摘しました。

  • 現実歪曲フィールドの影響
  • 完成して満足してしまう
  • 世界は止まったままと思い込んでしまう

これまでと同じように、フレームワーク自体が悪いという問題ではありません。
使用する私たちの問題なのです。

これまで、PDCAサイクル、STP分析、3C分析・SWOT分析を説明し、その課題を紹介してきました。
次回は、これまでに提示した、フレームワークの使用上の課題を普遍的に整理してみましょう。
その上で、何が問題なのか、問題の正体へ迫っていきましょう。